「てるみくらぶ」が151億の負債を抱えて経営破たんしたのは、ご承知の通りです。

経営者は、苦悩の表情で記者会見していましたが、体力的にも精神的にも追い詰められていることでしょう。

しかし、ある意味ほっとしているのも本音ではないか。

3年も前から粉飾決算でここまで来ているわけですから。

嘘にうそを塗り重ねてここまで来ていたわけです。この事実から解き放されたある意味解放感もあるのではないか。

しかし、一番の犠牲者は旅行を申し込んで代金を支払ったにもかかわらず、その履行がなされないままになっている消費者側。

詳細はわかりませんがこのような場合、一般的に経営者は自身の資産に影響が及ばないようにあらゆる策をすでに講じています。今回の「てるみくらぶ」のケースにおいても、経営者個人の弁済についての報道は未だ入ってこないところを見ると、例外ではないようです。

「倒産しました!申し訳ありませんでした!」

「てるみくらぶ」の経営者は、これで「はい終了」で済むのかもしれませんが、代金を支払ったままの消費者はどうなるのか?

暇ができたから、即決即断で旅行に行ける人がどれだけいるでしょうか?

旅行を楽しみに、何か月も、何年も前から計画し、お金を貯めてやっと実現するその日をすべてぶち壊されたわけです。その日程を空けるために、数か月前からやりくりもしていたはずです。本当に心が痛みます。

同じ経営破綻にも、消費者の被害を最小にするやり方はあったはず。

まして、すでに出国して異国で破綻の事実を知り、楽しいはずの旅行を台無しにされた利用者の心情を察すると、これはあまりにも酷過ぎる。

発券済みの航空券について「ご利用頂けるかどうか現時点で確認できておりません」

ホテルについても「トラブルが生じないことを確認できておりません」

こんな無責任な説明がなぜ平然と言えるのか???

数か月前から破たん直前まで、「現金一括キャンペーン」と称し、さらに顧客の申し込みと現金を分捕るという被害拡大の方策を行っています。

甚だしい自転車操業の連続であり、経営者としてどこかで今回のような状況になることは、容易に想定できたはずです。

消費者の被害を最小にする破綻の仕方もあったはず。その努力もせずに被害拡大を自ら導いた経営者の責任は非常に重い。

同じ経営破綻でも、誠意の見せ方というものがあるのではないかと思うのは、私だけではないと思う。

経営者の散り際の姿勢が問われる事件だ!